スモッキング刺繍

スモッキング刺繍について

スモッキング刺繍とは

布に細かくひだを寄せて、そのひだ山をひと針ひと針と規則的にすくっては縫い縮めてかがりを施していく立体的で陰影の調和が美しい刺繍です。

スモッキング刺繍とは
スモッキング刺繍とは

スモッキング刺繍の歴史

イギリスが発祥の歴史の古い刺繍です。
正式名称はイングリッシュスモッキングやベーシックスモッキングと言われています。
ヨーロッパにおける刺繍の黄金時代は16世紀前後で刺繍は上流婦人の大切なたしなみとされ
語学や音楽と共に刺繍も子女の教養とされてきたことから刺繍文化が発展し、さまざまな刺繍技法が生まれました。
スモッキング刺繍もその代表的な刺繍技法のひとつです。
日本には大正時代に伝えられました。

何世代にもわたって愛されるイギリス王室の定番アイテム

キャサリン王妃が娘のシャーロット王女に好んで着せることから人気のスモッキング刺繍ですが
英国ロイヤルキッズにとってスモッキング刺繍はちょっとしたお出かけ着や公式行事の定番アイテムです。
ルイ王子が叔父であるヘンリー王子のお下がりのスモッキングブラウスを着用して公式行事に出たり流行に左右されない清楚で品のあるスモッキング刺繍の〝お下がり”コーデはとても素敵です。
どんな年代の方にも愛されていて、お母様にとっても我が子の幼少期には一度は着せたいアイテムになっているのではないでしょうか。

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ロイヤルセオジのスモッキング刺繍ができるまで

(1)刺繍図案デザイン

刺繍を手がける多くの作家さんは、紙の上に色鉛筆で刺繍図案をスケッチしたり、直接布に刺繍を施しながらデザインを作っていかれることが多いようですが私はPCの画面で刺繍の図案を作っていきます。
スモッキング刺繍専用のソフトがあるわけではないので、基布の色を背景色に使い、実際にひと針ひと針自分の手で刺繍をしていくように1ミリ単位でステッチ線を描いていきます。
ロイヤルセオジの刺繍は、子供自身が持つ可愛らしさを引き立ててくれる脇役の存在でありたいとの思いから、刺繍デザインや色も派手になりすぎないようオーソドックスな中にも品の良さが感じられるようにデザインしています。
そのため刺繍のお花が主張しすぎないよう、スモッキングらしさが映えるベーススモッキングの刺繍模様を大切にしています。
刺繍糸も2本取りや3本取りなど実物の仕上がりで見える刺繍糸の太さをイメージしながらステッチ線の太さを変えて描いていきます。ベースになるスモッキング模様を描いた後に、バラの花や葉っぱなどのモチーフ刺繍を付け加えていきます。
布地と刺繍糸が上品に調和するよういくつもの配色シミュレーションを作り実物大サイズのカラー図案を仕上げていきます。

(2)刺繍糸の色決め

PCで製作した図案をプリントアウトして、その図案を見ながら、実際の基布に刺繍糸を充てがいながら刺繍糸の色番号を決めていきます。刺繍糸の色選びは、デザイン同様とても重要な作業です。迷った時は、自分で基布に刺繍を刺しながら色の組み合わせを決めていきます。何度も色糸を変えながら刺繍試作を繰り返して最終的なカラー配色が決まります。
図案デザイン→刺繍糸のカラー検討→刺繍試作→新デザインの最終決定までは店主(尾持ふみ子)が担っています。
 
 

ひだ寄せ

(3)ひだ寄せ

新デザインの最終決定後は、熟練した刺繍スタッフに引き継ぎます。
刺繍のベース基布にプリーターというひだ寄せの道具を使って布にひだ寄せを作ります。約1cm間隔のギャザー糸が刺繍をする際のステッチの目印(ガイド)線にもなります。

(4)スモッキング刺繍

ひだ寄せした布のギャザー糸を図案の目印線と合わせながら、図案を見ながら忠実にスモッキング刺繍を施していきます。

 

(5)完成

完成したスモッキング刺繍パーツです。ロイヤルセオジのスモッキング刺繍は、針数(ステッチ数)が多く、熟練した刺繍スタッフでも一枚の刺繍を仕上げるのに時間はかかりますが、愛情を込めて一枚ずつ丁寧に刺繍をしています。